
「限られた人数で業務効率化を進めたい」「コスト削減しながらサービス品質を上げたい」そんなお悩みを抱える個人事業主・中小企業の方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、業務プロセスを見える化するBPMNと、改善アイデアを体系的に整理するECRSを掛け合わせた“最強フレームワーク”を紹介します。
両者の使い方をマスターすれば、現場のムダを徹底排除し、利益体質への転換が一気に加速します。
「BPMN」とは?
BPMN(Business Process Model and Notation)は、業務プロセスを「誰が・何を・いつ・どの順番で」行っているかを図式化する国際標準表記です。
BPMNを導入する主なメリットは、以下の3つです。
- フローが一目瞭然なので属人化を防止
- 改善すべき点を客観的に特定できる
- ITツール導入時の要件定義がスムーズ
「業務改善フレームワーク」や「コスト削減」という観点で、まず現状の見える化に最適なのがBPMNです。
「ECRS」とは?
ECRSは以下4ステップの頭文字をとった業務改善フレームワークです。
- Eliminate(排除): 不要な業務はないか?
- Combine(結合): 重複している業務をまとめられないか?
- Rearrange(交換): 作業順や担当を入れ替えられないか?
- Simplify(簡素化): 手順や承認フローを簡単にできないか?
シンプルながら「気づき」を促す強力な枠組みで、改善案の抜け漏れを防止します。
BPMN×ECRSの“合わせ技”が強い理由

BPMNとECRSはそれぞれ異なる業務改善フレームワークですが、2つを組み合わせることでより効率よく業務改善が行えます。
BPMN×ECRSの合わせ技が強い理由は次の3つです。
- 見える化+発想法
- コスト削減インパクトを定量化
- ツール選定が楽になる
詳しく解説します。
見える化+発想法
BPMNでプロセスを見える化し、ECRSで具体的な改善案を洗い出すことで「分析結果」と「実行プラン」が同時にそろいます。
コスト削減インパクトを定量化
各フローに時間・コストを付与しておけば、ECRSによる変更点が数字で示せるため、経営層の合意形成が容易になります。
ツール選定が楽になる
業務効率化ツールの選定は「何をなくし、何を自動化すべきか」が決まっていないと迷走しがちです。
BPMN×ECRSを活用することで、ツール導入効果を見極めやすくなります。
具体的な使い方:5ステップ実践ガイド

BPMNとECRSを組み合わせた業務改善は、次の流れで進めていきましょう。
- Step1 業務範囲の選定
- Step2 BPMNで現状フロー図を描く
- Step3 ECRSで改善アイデアを構築
- Step4 改善後BPMNを作成し、効果試算
- Step5 業務効率化ツールで自動化・実装
詳しく解説します。
Step1 業務範囲の選定
まずは、業務範囲の選定を行います。
さまざまな業務範囲の中で、予約管理・顧客対応など、課題が顕在化している領域を絞り込みましょう。
Step2 BPMNで現状フロー図を描く
BPMNモデリングツールを活用して、現状のフロー図を作成します。
各フローの現場担当者にヒアリングしながら、作業時間やコストも書き込んでいきます。
Step3 ECRSで改善アイデアを構築
各タスクに対し「排除・結合・交換・簡素化」の4視点で、複数人で発想やアイデアを出し合います。
複数の発想やアイデアを組み合わせながら、最適な改善アイデアを洗い出していきましょう。
Step4 改善後BPMNを作成し、効果試算
再度、改善後のBPMNを作成して、時間短縮・コスト削減額を可視化します。
効果が大きい順に優先順位を付けて、効果試算を行いましょう。
Step5 業務効率化ツールで自動化・実装
ワークフロー管理、予約システム、チャットボットなど、ツール導入計画を立案し、試験運用を経て全社展開に進めていきます。
個人事業主・中小企業が陥りやすい3つの落とし穴

BPMNとECRSを組み合わせたフレームワークは、業務改善において最強のフレームワークですが、個人事業主や中小企業が陥りやすい落とし穴が3つあります。
- 現場ヒアリング不足
- ECRSがチェックリスト化
- ツール導入が目的化
それぞれ解説します。
現場ヒアリング不足
落とし穴1つ目は、現場のヒアリング不足です。
各フローの現場担当者に現状を聞き、言語化が難しいスキルやノウハウ、経験知を把握しないと、BPMN図が机上の空論になってしまいます。
ECRSがチェックリスト化
2つ目の落とし穴は、ECRSがチェックリスト化してしまうことです。
ECRSは、単なるフローの確認項目ではなく「なぜその業務が必要か」を問い直す姿勢が不可欠になります。
ツール導入が目的化
3つ目の落とし穴は、ツール導入が目的化してしまうことです。
本来の目的は業務改善です。
業務改善の目標を設定し、BPMN→ECRS→効果測定まで回すサイクルが重要になります。
実践を後押しするツール選定ポイント

業務改善のためのツール選定ポイントは次の4つです。
- ノーコードでワークフローを構築できるか
- 既存システムとAPI連携・CSV連携できるか
- スマホ対応で現場の入力負荷を下げられるか
- コスト削減効果が初年度で投資回収可能か
ツール導入前に、これらのポイントが押さえられているか確認しましょう。
まとめ

BPMN×ECRSの組み合わせは、見える化とアイデア創出を同時に叶える“業務改善フレームワーク”の決定版です。
特に「人手不足」「コスト削減プレッシャー」が大きい個人事業主・中小企業にとって、少ないリソースを最大限に活かす切り札となります。
業務改善に悩んでいる個人事業主、中小企業の方は、ぜひ参考にしてみてください。
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