バリューチェーン分析とは?自社の強みを最大化するフレームワークを深掘り解説!

 (更新日2023.07.22)
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  • バリューチェーン分析とはどんなフレームワークなの?
  • バリューチェーン分析を活用し事業の強みを把握するには?

自社の事業の強みを見出し、多くの競合他社から自社の商品やサービスを顧客に選んでもらうにはどんな施策を打てばよいのでしょうか。よい施策には、十分な分析が必要になります。

事業の強みを見出すための最適な分析方法がバリューチェーン分析です。

本記事では、バリューチェーン分析の特徴とメリット、進め方まで分かりやすく解説します。また、サプライチェーンとの違いや他社の事例についてもご紹介します。

この記事を読めば、バリューチェーン分析について理解が深まり、競合との差別化やコスト削減に役立つはず。ぜひ最後までご覧ください。

バリューチェーンとは

バリューチェーン(Value Chain)とは日本語で「価値連鎖」と訳します。バリューチェーンは、提唱者のマイケル・E・ポーターの言葉を借りると、以下の一言で表すことができます。

事業を主活動と支援活動に分類し、どの工程で付加価値(バリュー)を出しているかという分析するためのフレームワーク

競争優位の戦略(Competitive Advantage) マイケル・E・ポーター著

このフレームワークによって事業活動の価値を一連の流れとして捉え、そこから合優位となる事業の競強みを見出し、事業戦略を立てる際のヒントを得ることができます。

サプライチェーンとの違い

バリューチェーンとよく勘違いしやすい用語に「サプライチェーン」があります。

サプライチェーンとは、日本語で「供給連鎖」と訳し、商品が消費者に届くまでの一連の流れを指します。

両者の違いとしては、サプライチェーンは原材料の調達、製造・加工、在庫管理、配送、販売、消費といったモノの流れに着目しているのに対して、バリューチェーンは、生産プロセスごとの価値の加わり方に着目している点が異なります

バリューチェーン分析の目的

バリューチェーン分析は、「バリューチェーン」の各活動を切り分けて分析するためのフレームワークです。

バリューチェーン分析の目的は主に2つです。

バリューチェーン分析の目的

  • 活動ごとにかかるコストを把握することで、コスト削減に役立てる
  • 自社の強みと弱みを把握し、競争優位の実現に役立てる

活動ごとを分析することで、どのプロセスの付加価値が高いのか、またはどの工程に問題があるのかを明らかにできます。その中でコスト削減や自社の強みと弱みの把握をし、競争優位の実現に役立てることができるようになります。

競合他社から自社だけの魅力を見つけ出すことがバリューチェーン分析の大きな目的になります。

バリューチェーン分析のメリット

バリューチェーン分析のメリットは主に3つです。

メリット

  • 強み弱みの把握ができる
  • 競合の戦略予測ができる
  • リソースの効果的な再分配とコスト削減ができる

強み弱みの把握ができる

自社に対してバリューチェーン分析をすることで、各プロセスで発生している付加価値の量やバランスを把握することができます。

競合他社よりも自社の優れている点(強み)や劣っている点(弱み)を明確にすることが可能です。

競合の戦略予測ができる

競合他社を対象にバリューチェーン分析をすることにより、競合他社の強み・弱みを把握できます。

さらに競合他社がどのように強みを活かした戦略を立てていくか、また弱みをカバーするためにはどのような施策を講じるかを予測することが可能になります。

予測した結果は、自社がどのプロセスに注力するのがより効果が高いかの見極めにもなります。

リソースの効果的な再分配とコスト削減ができる

バリューチェーン分析により、現在の自社の商品やサービスに対して付加価値を加える活動を、どれくらいの範囲や規模で実施しているのかが明確になります。

その結果、優先順位の高いプロセスと優先順位の低いプロセスの見極めが可能になり、過剰にリソースを費やしていたプロセスが洗い出されます。

優先順位の低いプロセスに過剰に費やしていたリソースを人事戦略や経営戦略に活用することで、リソースの効果的な再分配や経営効率化によるコスト削減を実現できるでしょう。

バリューチェーン分析の進め方【4ステップ】

バリューチェーン分析は4つのステップで成り立ちます。進め方について順番にご説明します。

バリューチェーン分析の4ステップ

  1. 自社バリューの把握
  2. コストの分析
  3. 強み・弱みの分析
  4. VRIO分析

ステップ1:自社バリューの把握

自社バリューの把握をするために行うのが、主活動と支援活動の洗い出しです。

対象の事業に関係する全ての活動を機能別に分類し、リストアップします。 リストアップできたら、生産や流通、消費との直接的な関連性の有無によって、主活動と支援活動に分けていきます。

ステップ2:コストの分析

主活動と支援活動の洗い出しが出来たら、コストの分析をします。コストを分析することにで、活動ごとの収益やコストが把握できます。

コスト分析には、Excelなどの表計算ソフトを使用すると行いやすいでしょう。活動ごとのコストを一覧化します。その際担当部署も合わせて明記するとどの部署がどれくらいのコストをかけているかを可視化できます。

ステップ3:強み・弱みの分析

各活動の強み・弱みを分析します。現状を正しく反映するために、社内のできるだけ多くの人から案を出してもらうようにします。

その際、多くの人が案を出しやすいようにメールやチャットで表やアンケートを回覧するとよいでしょう。

ステップ4:VRIO分析

4ステップの最後は、バリューチェーン分析の活用法の一つのVRIO(ブリオ)分析をします。

VRIO分析は、Value(価値)・Roreness(希少性)・Imitability(模倣可能性)・Oeganization(組織)の頭文字からなる、経営リソースの競争優位性をチェックするためのフレームワークです。

VRIO分析の4つの要素

  • Value(価値):その経営リソースを持たない場合と比較し売上は上がるか
  • Roreness(希少性):その経営リソースは業界で希少性があるか
  • Imitability(模倣可能性):その経営リソースは競合等に真似されにくいものか
  • Oeganization(組織):その経営リソースを自社が最大限に生かせる強みがあるか

VRIO分析を使い、ステップ3で設定した強みの部分を分析します。

4つ全てにYESがついた経営リソースは持続的であり、競争優位性があるといえます。

バリューチェーンの事例

バリューチェーン分析を行った成功事例として、スターバックスコーヒーの事例をご紹介します。

スターバックスコーヒーは、競争が激しいコーヒー業界の中でも、近年業績をさらに伸ばしている企業です。

スターバックスコーヒーの強みは、原材料などの購買力が挙げられますが、バリューチェーン分析により「室の高いサービス」と「サードプレイスの提供」に自社の強みを見出し、他社との優位性を確固たるものにし、現在のブランドの獲得に至りました。

サードプレイスとは

家、職場に続く、第三の場所のこと

スターバックスコーヒーの店内は都会的でおしゃれです。内装やインテリアも各店舗でコンセプトを変えるこだわりがあります。

例え同じ市内のスターバックスでも全く同じ内装はありません。利用する側からすると、それもスターバックスコーヒーへ来店する理由の一つなります。

また、来店した際のスタッフの接客のよさも心地よいサードプレイス作りに貢献しています。

つまり、スターバックスコーヒーでは、バリューチェーン分析により、自社の強みを最大限に活かすためのスペースの構築や店員の教育に多くのコストをかけているということです。

この事例のように、バリューチェーン分析で自社の強みを把握できれば、どこに注力しコストを掛けるべきかを明確にでき、競争優位性を獲得することにつながります。

まとめ

今回は、バリューチェーン分析について解説しました。

バリューチェーン分析を活用することで、自社の強みと弱みを把握していき、経営リソースを掛けるべき優先順位を明確にすることで、自社の強みを最大化できます。

ご紹介した成功事例のように、競争優位性を獲得できれば、自社の事業を唯一無二のブランドとして築いていけるでしょう。

また、業務改善に関するフレームワークを「業務改善できるフレームワークとは?効率化にも役立つ9選を徹底紹介!」で紹介しています。

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