- BPMNを活用したいが難しく感じる
- BPMNを使って簡単に業務フローを作成する方法を知りたい
業務フローを作成する際に、誰にでも同じ意味として伝わるように作るように意識していますか?それぞれが思い思いの方法で業務フローを作成すると、他部署の担当者や新しく配属されたメンバーがすぐに業務を把握することができません。
そんな状況を解決するために最適なフレームワークがBPMNです。
BPMNは国際基準で定められた文法を用いるため、誰にでも同じ意味として伝わる標準化された業務フローを作成することができるという特徴を持っています。
本記事では、BPMNを活用するメリットやよく使われる記号の意味、BPMNを活用した業務フローの簡単な作成方法を解説していきます。
この記事を読むことで、ややこしい用語がでてくるBPMNがこれまで以上に理解できるようになり、BPMNを活用した業務フローも作成できるようになりるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
BPMNとは
BPMN(Business Process Modeling and Notation)は、日本語で「ビジネスプロセスモデリング表記法」といいます。
国際基準(ISO19510)によって定められた文法を用いて、誰が見ても同じ意味として伝わる業務フローを作成するために最適なフレームワークです。
下の図のようなフローチャートを見たことはありませんか?
このようにBPMNでは、決まった図形や矢印などを使うことで「どの工程がどの担当者が処理するのか」「どこの部署に書類を提出すればよいのか」を一目で分かるようにしています。
国際基準で定められた文法(図形や矢印など)を使っているため、標準化された業務フローの作成が可能。
作成者ごとでフローチャートの図の意味合いが変わるということがないため、フローチャートを誰が見ても「どこからどこへ業務が回るか」などを知ることができるのです。
BPMNを使うメリット
BPMNを使うメリットは、主に以下の3つです。
メリット
- 業務フローを共通言語のような役割として展開できる
- システム開発者にも必要な意味を伝えることができる
- 階層的に表現できるので業務プロセスを可視化できる
業務フローを共通言語のような役割として展開できる
繰り返しになりますが、BPMNを活用することで、業務フローを共通言語的な役割として利用することが出来ます。
後ほど詳しくご説明しますが、BPMNで使う記号にはそれぞれ意味があります。
例えば、
- 四角→業務内容
- ひし形→分岐
を示します。
国際基準に基づいた文法で作成するため、誰が見ても同じ意味として伝えることができるのです。
システム開発者にも必要な意味を伝えることができる
分かりやすい視覚的な表現で手順を把握できるBPMNは、実務担当者とシステム開発者など分野の違う担当者同士が認識を合わせるのにも役立ちます。
BPMN は、業務の関係者すべてに伝わる標準化された共通言語となるものです。業務プロセスの目的と実践の間のギャップを埋めるのに最適なフレームワークといえます。
階層的に表現できるので業務プロセスを可視化できる
BPMNは業務プロセスを階層的に表現することができます。
上位階層は網羅的に、下位階層は詳細を書いておくことで業務プロセスの可視化にも役立つのです。
BPMNで使用する4つの要素と記号
BPMNで使用する要素と記号についてそれぞれ解説します。
BPMNの要素は以下の4つです。
4つの要素
- フローオブジェクト・・・プロセスの開始・終了や内容を示す
- オブジェクトの接続・・・分岐やプロセスの順序を示す
- スイムレーン・・・プロセスの主要な参加者を示す
- 成果物・・・生成されたデータや図の理解を助けるために示す
BPMNの要素と主な記号を図にまとめたものが以下の表になります。
上の表でまとめた記号の意味について解説していきます。
フローオブジェクト
フローオブジェクトには、「イベント」「アクティビティ」「ゲートウェイ」の3種類あります。
フローオブジェクト
- イベント・・・円で表記され、プロセスの開始、中断、終了を表す記号
- アクティビティ・・・角を丸めた四角形で表され、実行される特定の業務を表す記号
- ゲートウェイ・・・菱形で表され、判断や経路の分岐と結合を表す記号
オブジェクトの接続
オブジェクトの接続は、矢印で表記します。種類は「シーケンスフロー」「メッセージフロー」「関連」があります。
オブジェクトの接続
- シーケンスフロー・・・実線矢印で表記され、実行される業務の順序を表す記号
- メッセージフロー・・・破線矢印で表記され、結ばれたものの間でのメッセージのやり取りを示す記号
- 関連・・・点線で表記され、フローオブジェクトと成果物の関連を示す記号
スイムレーン
スイムレーンには、「プール」と「レーン」があります。「レーン」は「プール」の枠内で使用するため、使用するときはセットになります。
スイムレーン
- プール・・・プロセスの主要な参加者を示す際に用いる記号
- レーン・・・プールの中でさらに役割を区分したい場合に、プールの枠内で用いる記号
成果物
成果物には、「データオブジェクト」「グループ」「注釈」の3種類あります。
成果物
- データオブジェクト・・・作業で必要とするデータや生成されるデータを分かり易く示すために用いる記号
- グループ・・・異なる作業に対してグループ分けするために用いる記号
- 注釈・・・図の理解の補助となるような追加説明のために用いる記号
BPMNの記号はご紹介したもの以外にもたくさんありますが、全ての記号を使用することはありません。あくまでも誰でも読み取りやすいフローを作成するためのツールとして活用するとよいでしょう。
こちらのサイトに標準的なBPMN記号がまとめて掲載されていますので、本記事で紹介している記号以外も知りたい場合はご参考になさってください。
BPMNを簡単に作成するステップ
BPMNは意外と簡単に作成できます。実際に作成する手順が以下の4ステップです。
BPMN作成の4ステップ
- 部署ごとに横長の四角形で区切る
- 各部署の業務を角丸四角形で並べる
- 各業務のフロー矢印でつなぐ
- 開始を細線丸で、終了を太線丸で表す
4ステップを元に、見積作成フローとしてモデル図を作成すると、下の図のような業務フローモデル図が完成します。
実際の業務フローは、扱う業務量も関わる担当部署の数も多く複雑かと思いますので、モデル図のようにはいかないかもしれません。
しかし、BPMNは、誰にでもにも作成できるようシンプルに設計されています。BPMNの基本をおさえて、作成してみると、割とシンプルなものだと気づくはずです。
まとめ:BPMNで業務プロセスを可視化するために最適
今回は、BPMNについて解説しました。BPMNは、国際基準で標準化された記号を使い、業務プロセスを可視化することに最適なフレームワークです。
BPMNについて調べてみた際に、専門用語が多くて二の足を踏んだ方も多かったのではないでしょうか。「何のために活用するのか」という目的を明確にしておけば、扱う記号も限られてシンプルに取り組めるようになるでしょう。
あくまでも「誰が見ても同じ意味として伝わる」ように標準化された業務フローを作成するツールとして捉えることがシンプルにBPMNを理解するポイントです。
本記事でご紹介した内容を参考にぜひ今後の業務にお役立てください。
また、業務改善に関するフレームワークを「業務改善できるフレームワークとは?効率化にも役立つ9選を徹底紹介!」で紹介しています。
業務改善に悩む方は合わせてご覧ください。