- 事業が大きくなってきたので、そろそろ社員を雇いたい
- しかし、正社員を一人雇うために必要な費用がわからない
- 正社員を雇う以外に人手不足を解消する方法はないだろうか
会社を大きくしていく上で、避けて通れないのが「社員の増員」です。
社員を雇うということは、これまで以上に費用がかかるため不安ですよね。実際にいくらかかるのかがはっきりしないと、採用に向けて動き出すことができません。
そこでこの記事では、正社員を一人雇うために必要な費用は具体的にいくらなのかを解説するとともに、費用を抑える方法についても解説します。
この記事を読むことで、正社員を一人雇うためのコストを計算できるようになるので、採用に向けてのイメージをより具体化できます。
これから社員を雇いたいと考えている個人事業主の方やベンチャー企業の社長さんは、ぜひ最後までご覧ください。
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正社員を雇う費用の内訳
正社員を一人雇うのに必要な費用は、大きく分けると次の2つに分類できます。
- 初期費用
- 維持費用
それでは、それぞれについて詳しく解説します。
初期費用(イニシャルコスト)
正社員を雇ったときに、最初にかかる初期費用は以下のとおりです。
初期費用の内訳
- 採用費
- 教育費
- 準備費
採用費
求人サイトや求人雑誌に掲載するためにかかる求人広告費用です。成功報酬などの紹介手数料を支払わなければならないケースもあります。
場合によっては、入社案内や会社案内などを制作するための費用や、説明会を行う場合は会場費なども発生する場合があります。
どこまで費用をかけるのかを考えましょう。
教育費
新入社員を育成するための研修費です。
研修で使用する場所代や、研修資料代、講師への謝礼金などが含まれます。
準備費
新入社員が仕事をする上で必要な環境設備を整えるために必要な費用です。
デスクや制服などの備品、パソコンと、業務をする上で必要なソフトにも費用がかかります。
維持費用(ランニングコスト)
採用する時だけでなく、継続的にかかる維持費用は以下のとおりです。
維持費用の内訳
- 毎月の基本給
- 残業代
- 福利厚生費
- 社会保険料
毎月の基本給
毎月社員に支払うお金です。
後述する残業代や福利厚生費などが加わったり、社会保険料が引かれたりした金額が「給与」として支払われることになります。
残業代
社員が残業したときに支払うお金です。
残業代は【1時間あたりの賃金×割増率×残業時間】で求められます。
割増率は次の表でのとおりで、負担の大きな残業ほど割増率が高いといえます。
福利厚生費
住宅手当や交通費などの基本給以外に支払うお金です。
最近では、社員の生活向上や労働環境の改善のために、福利厚生に力を入れている企業も増えています。
また、退職金制度も福利厚生に含まれるため、社員の退職金を積立するためにも費用がかかります。
たとえば、40年勤務で1000万円の退職金を積立てすると仮定すると、単純計算で年間25万円、つまり1ヶ月2万円ほどの費用がかかるということになるのです。
福利厚生の例
- 住宅手当
- 交通費
- 慶弔見舞金
- 会社内の飲みもの(水やコーヒーなど)代
- 退職積立金
社会保険料
社会保険は、
- 健康保険
- 介護保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 労災保険
の5種類があり、それぞれの保険に対して事業主が負担する割合が条件によって異なってきます。
それを簡単にまとめたのが次の表です。
種類 | 保険内容 | 負担の仕方 | 条件 |
健康保険料 | 3割負担で病院にかかれる医療保険 | 事業主と労働者の折半 | 年度・都道府県 |
介護保険料 | 介護が必要になったとき1〜2割負担で介護を受けるための保険 | 事業主と労働者の折半 | 年度・都道府県 |
厚生年金保険料 | 基礎年金(国民年金)に上乗せして年金を受け取る制度の掛け金 | 事業主と労働者の折半 | 年度・都道府県 |
雇用保険料 | 失業したときに次の仕事につくまでに必要な給付を受けられる保険 | 事業主>労働者で負担 | 年度・都道府県 |
労災保険料 | 業務中や通勤中に怪我や事故等による死亡・病気に備える制度 | すべて事業主 | 年度・都道府県 |
それでは、それぞれについて詳しく解説します。
健康保険
3割負担で病院にかかれる医療保険です。
年度・各都道府県によって保険率が決まります。
介護保険
介護が必要な時、1〜2割負担で介護を受けるための保険です。
40歳になってから加入する社会保険です。健康保険料と一緒に納付することになります。
こちらも健康保険と同様、年度・各都道府県によって保険率が決まります。
厚生年金
基礎年金(国民年金)に上乗せして年金を受け取る制度の掛け金です。
こちらも健康保険や介護保険と同様、年度・各都道府県によって保険率が決まります。
これら「健康保険率」「介護保険率」「厚生年金率」の3つは、全国健康保険協会のホームページから調べることができます。
雇用保険
雇用保険とは、失業したときに次の仕事に就くまでに必要な給付(所得保障や再就職支援)を受けられる社会保険の一種です。
年度・業種によって保険料率が決まります。
労災保険
業務中や通勤中に怪我や自己などによる死亡、病気に備える保険です。
雇用保険料率と同様、年度・業種によって保険率が決まります。
また、他の保険料率と比べて、業種による差が大きく、ケガをする可能性が高いような業種では労災保険料率が高い傾向にあるのが特徴です。
これら「雇用保険料率」「労災保険料率」は厚生労働省のホームページから調べることができます。
【例】月収20万円の正社員を雇う費用
それでは、実際の具体例で計算してみましょう。モデルケースとして、以下の条件で考えてみます。
モデルケース
- 年齢:22歳
- 月収:20万円(基本給18万円、交通費1万円、住宅手当1万円)
- ボーナス:3ヶ月分
- 勤務地:東京
- 職種:IT関連
- 年度:令和3年度
結論は以下の表のようになります。
社員への総支給額
まずは毎月の給与が
【月収20万円 × 12ヶ月 = 240万円】
ボーナスが基本給の3ヶ月分だとして
【18万円 × 3ヶ月 = 54万円】
トータルでは、
【240万円 + 54万円= 294万円】
となります。
「健康保険」「介護保険」「厚生年金」の支払い
「健康保険」「介護保険」「厚生年金」の3種類については、年度と都道府県で決まります。
今回のモデルケースでは令和3年度の東京なので、下記のようになります。
- 健康保険料率・・・9.84%→折半につき事業者負担は4.92%
- 介護保険料率・・・1.8%→折半につき事業者負担は0.90%→40歳以上でないためかからない
- 厚生年金保険料率・・・18.3%→折半につき事業者負担は9.15%
「雇用保険」「労災保険」の支払い
「雇用保険」「労災保険」の2種類に関しては、月収ではなく、年間の賃金総額をもとにして計算されます。
労働保険料率は年度と業種で決まります。今回のモデルケースでは令和3年度のIT企業なので、下記の通り。
- 雇用保険料率・・・0.9%→事業主負担は0.6%(労働者負担は0.3%)
- 労災保険料率・・・0.3%(全額事業主負担)
子ども・子育て拠出金
子ども・子育て拠出金とは、子育て支援事業や児童手当や、仕事と子育ての両立支援事業などにあてられる税金です。
勘違いされがちですが、従業員に子どもがいるかどうかは関係がありません。厚生年金に加入している従業員がいる企業や個人事業主は必ず収めなければならないので注意が必要です。
子ども・子育て拠出金は社会保険ではなく税金ですが、健康保険や厚生年金保険料と合わせて納付することになっています。
費用は事業主の全額負担で、拠出金率は年度によって決まります。今回の場合は令和3年度なので0.36%です。
【結果】1年間にかかるトータルの負担額
ここまでの結果、今回のモデルケースでは最低限でも
【総支給額2,940,000円 + 社会保険料364,140円 + 子ども・子育て拠出金8,640円 = 3,312,780円】
ということになります。
保険料率は年度・都道府県・業種によって異なりますので、ご自身の会社の場合はどうなるのかを確認しつつ、計算してみてくださいね。
保険料が確認できるサイト
・「健康保険率」「介護保険率」「厚生年金率」・・・全国健康保険協会のホームページ
・「雇用保険料率」「労災保険料率」・・・厚生労働省のホームページ
・「子ども・子育て拠出金」・・・日本年金機構のホームページ
とはいえ、「自分で計算するのはやっぱり自信ないし、めんどくさいな…」と思うもの。
そんな方はオンラインアシスタントサービスを利用し、面倒な経理業務をアウトソーシングするのも手です。
苦手で面倒な経理業務をコツコツ覚えるより、経理業務が得意なオンラインアシスタントに丸投げしてしまったほうが、より効率よく自分のやるべき仕事に集中できるようになりますよ。
アウトソーシングについては、次の記事で詳しく解説しています。
≫アウトソーシングとは?メリット・デメリットや派遣との違いを徹底解説
正社員を雇うために費用を抑える方法
正社員を雇うために、たくさんの費用がかかることはわかっていただけたかと思います。
従業員を増やすためには、会社内でコストを抑える工夫が不可欠です。ここからは、どのようにすれば会社のコストを抑えることができるかという解決策を紹介します。
残業がないように指導・調整する
残業がないように指導や調整をしていくことが大切です。
残業代は、「割増率」をもとに割増した賃金として支払わなくてはならないため、その分、会社の負担が大きくなるからです。
残業代が無くなるだけでも、会社にとって大きな負担減となるので、できるだけ効率的に仕事をこなし、就業時間内に仕事が終わるような業務体制にしましょう。
社員のコスト意識を高める
社員にコスト意識を持ってもらうことも、費用を抑える大事な要素の一つです。
社員は会社全体の経費や費用を把握しているということは、まずないのではないでしょうか?
普段使っている備品代や光熱費など、「何がどの位かかっているか」ということを社員一人ひとりに意識してもらうことで、無駄なコスト削減に繋がるのです。
助成金を利用する
厚生労働省では、事業主のために雇用に関する補助金を用意しているので、厚生労働省のホームページを確認してみましょう。使える助成金があるはずです。
正社員ではなくパートやアルバイトを雇う
正社員ではなく、パートやアルバイトを雇うことで、雇用にかかる費用を抑えることができます。
なぜなら、雇用保険・労災保険はパートやアルバイトにも適用されることもありますが、健康保険・厚生年金は「常時的な使用関係」でない場合は加入させる義務はないからです。
「常時的な使用関係」とは、次の2点の条件を満たしていることを指します。
- 1日もしくは1週間の労働時間が正社員の4分の3以上である
- 1ヶ月の労働日数が正社員の4分の3以上である
このような「常時的な使用関係」でないパートやアルバイトを雇うことで、正社員に比べて費用を大幅に抑えることができるのです。
オンラインアシスタントを利用する
雇用形態にこだわりがないのであれば、オンラインアシスタントを利用することで、費用を大幅に抑えることができるのでおすすめです。
「アウトソーシング?外注はコストがかかりそう…」と思うかもしれませんが、実は正社員を雇うより圧倒的に費用を抑えて人を雇うことができますよ。
アウトソーシングについては、次の記事で詳しく解説しています。
≫アウトソーシングとは?メリット・デメリットや派遣との違いを徹底解説
ワーカーへの給料やその他の費用は、すべてオンラインアシスタント会社が負担しているため、依頼する側の負担はオンラインアシスタントの月額料のみ。
正社員を雇わずにオンラインアシスタントを利用することで、具体的には次のような費用をカットすることができます。
オンラインアシスタントでカットできる費用
- 採用費・・・オンラインアシスタントのディレクターがワーカーを選ぶので依頼主が選ぶ必要がない
- 教育費・・・オンラインアシスト会社がワーカーを教育しているためかからない
- 準備費・・・オンライン完結なのでデスクなどの備品は準備しなくてもよい
- 福利厚生費・・・オンラインアシスタント会社が負担している
- 社会保険料・・・オンラインアシスタント会社が負担している
また、オンラインアシスタントは必要なときに必要な分だけ利用することができる点も大きな魅力です。
Web特命係では1ヶ月単位の契約も可能。「来月は休みも多いし、業務量が少ないから依頼しなくてもいいな…」という場合は「来月は休止で」と伝えることで費用は発生しません。
ちなみに、対応できる業種は非常に幅広いです。
- 経理
- 採用
- Web制作・運用
- 総務・事務
どんな業種にもあるデスクワークや、Web関連の仕事は、ほぼすべてアウトソーシング(外注)することが可能です。
正社員にこだわらないという場合は、オンラインアシスタントの利用もぜひご検討ください。
まとめ
この記事では、正社員を一人雇うために必要な費用について解説しました。
給料だけでなく、様々な費用がかかるということをおわかりいただけたと思います。
この記事で紹介した方法で給与以外の費用が計算できます。採用してから「思った以上にコストがかかってしまって困った…!」とならないためにも、イメージを明確にした上で従業員の採用を計画してみてくださいね。