業務効率化の具体的な手法と具体的なアイデア6選【正しい方法を知ろう】

 (更新日2023.07.22)
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  • 業務効率化を始めたいけど何から取り組めば良いか分からない
  • 業務効率化を進めるために手順や方法を知りたい

業務効率化を進めたいと考えていても、何から取り組めばよいか分からないことが多いのではないでしょうか。ポイントを押さえずに進めるとかえって逆効果になることもしばしば。

本記事では、業務効率化が重要といわれる背景から、業務効率化を進める際に役立つ具体的な手法やアイデアについて解説します。

この記事を読むことで業務効率の重要性と具体的な方法が分かります。

業務効率化とは?なぜ重要なのか

業務効率化とは、簡単にいうと「業務の無駄を省き、業務の生産性を上げること」です。

普段の業務の中で次のようなことはないでしょうか。

  • 実践不可能なスケジュールの中で実は無理をしていること
  • 不必要と分かっているのに習慣化してやっている無駄なこと
  • 仕事の配分が偏っていてムラがあること

より重要度の高い業務にリソースを回すためには、これらの「ムリ・ムダ・ムラ」を一つずつ洗い出し、減らすことによって、生産性の向上を図らなければなりません。

業務効率化の効果は、従業員のモチベーションの向上にも繋がります。

従業員にとっては、無駄な業務がなくなった分、自社の売上や利益にさらに貢献できる仕事に対して自分の時間やスキルを使えるようになることから、仕事に対する満足度も上がります。さらに、従業員のワークライフバランスを実現しやすくなるため、結果的に優秀な人材を確保しやすくなるメリットがあります。

また、業務効率化が重要になってきている背景には、日本の少子高齢化による労働者不足が大きな問題に直面しているからです。

さらに新型コロナウィルスの感染予防のためにテレワークの導入が広がる昨今において、この傾向は今後もより深刻化すると考えられています。

労働者不足を補い「働き方改革」を進めるためにも、業務効率化の重要性がより一層求められています。

業務効率化の方法・進め方

具体的に業務効率化をどのように進めると良いかを順番に解説します。

基本的には、現状把握をしてからPDCAサイクルを回すと良いでしょう。

PDCAサイクルとは

「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を繰り返すことで業務改善し続けるサイクルのこと

  1. Plan:業務効率化のための改善案を計画する
  2. Do:改善案を実行する
  3. Check:実行結果から改善案を評価する
  4. Action:評価結果をもとに、より高い効果を上げるための改善案の計画と実行をする

ステップ1:現状把握する

最初のステップで大切なのは、「現状把握」です。

どの業務をどのように合理化すべきかを適切に判断するためには、業務の全体像を正しく把握することが必要です。

具体的には、部署ごとに業務を洗い出します。

業務の洗い出しの項目

  • 担当名・担当者数
  • 作業の工程や使用ツール、必要なスキル
  • 作業時間の目安や作業の発生頻度など

これらの項目を記載した一覧表をExcelなどで作成し、回覧することで各部署に協力を仰くとスムーズに進めることができるでしょう。

ステップ2:効率化をする業務を決定する

二つ目のステップでは、効率化する業務を決定します。

まずは、ステップ1でまとめた全体の業務から優先順位を決めていきます。

優先順位を決める際のポイントは以下の3点です。

優先順位を決める際のポイント3つ

  • 定型化が図りやすい業務であるか
  • 発生頻度が多い業務であるか
  • 単純な業務か

これらの視点からそれぞれの業務を俯瞰して見て、優先的に取り組むこと決めていきます。

また、効率化を図る業務を決定する際は、以下の2つへの仕分けも必要です。

  • 社内で行うべき業務
  • 外部に委託できる業務

社内の人材は、自社の中核として、他社と差別化できる強みを伸ばすことに集中すべきであり、そのためにも、可能な範囲で外部委託を検討するとよいでしょう。

ステップ3:どのように効率化するか検討し実施する

効率化を図る業務を決定したら、PDCAサイクルを回していきます。

まずは「どのようにして効率化するか」を考えましょう。PDCAサイクルの「Plan(計画)」ですね。

改善計画の指針となるのが、「ECRS(イクルス)」です。ECRSとは「改善の4原則」を意味し、業務をどのように改善すればよいかを考察する以下の4つの視点を指します。

ECRSについては「ECRSの原則とは?業務効率化に役立つフレームワークを深掘りして解説!」で詳しく解説しています。ぜひ参考になさってください。

しっかり計画をした後は計画を実際に実施していきましょう。PDCAサイクルの「Do(実行)」です。

ステップ4:検証と評価する

業務効率化を進める上で、実際に試してみないとその効果を正しく把握することはできません。

現場で実行したあとは、うまくいっているかの検証・評価を行いましょう。PDCAサイクルの「Check(評価)」ですね。

ステップ5:さらなる改善案を考える

PDCAサイクルの「Check(評価)」で行った評価結果をもとにして、さらなる改善案を考えます。PDCAサイクルの「Action(改善)」です。

「やりっぱなし」ではなく、次につながるさらなる改善策を考えるところまでできて、ようやく効果的な業務効率化といえます。

業務効率化の具体的なアイデア

業務効率化のための具体的なアイデアは6つあります。

業務効率化のための6つのアイディア

  • 無駄をなくす
  • 自動化する
  • 業務を分ける
  • 業務をまとめる
  • 時間を短縮する
  • 優先順位をつける
  • マニュアルを作成する
  • アウトソーシングする

それぞれについて詳しく解説します。

無駄をなくす

洗い出した業務の中の無駄はなくしていきましょう。

たとえば、報告のみで終始している定例会議などは、日頃から「報告・連絡・相談(いわゆるホウレンソウ)」を徹底すれば、わざわざ報告のために集まることも不要になります。

また、オンラインでの会議に切り替えるだけでも、移動の時間を削減することができます。

「そもそもその会議が本当に必要か」を見つめ直し、不要であれば思い切って廃止するのも得策です。その分だけ、出席予定者は空いた時間を確保でき、資料作成など会議の準費に費やす工数も節約できます。

自動化する

属人化している業務の中でツールなどを活用し自動化できれば、業務の効率化が図れる場合があります。

たとえば、

  • Excelのマクロやプログラムを使う
  • 会計の仕訳など煩雑な業務を会計ソフトで管理する
  • ヘルプデスク・カスタマーサポートの問合せ対応にチャットボットを導入する

など、発生件数が多く、マニュアル化しやすい日常的な業務は自動化することをおすすめします。

業務を分ける

担当者が一人で行っていた業務においてはそれを分業化することによって効率化を図れる場合も多くあります。

分業化により担当者一人ひとりが自身の役割に徹することができ、さらに主体性をもつようになります。結果的に、従業員のモチベーション向上に繋がります。

業務をまとめる

複数の担当者やチームで行っていた業務を一人の担当者、一つのチームにまとめることによって、かえって業務効率が上がる場合もあります。

一つにまとめたことで、情報共有が遅れるなどのデメリットを防ぐことにも繋がります。

時間を短縮する

時間を短縮できそうな業務を探し、短縮できるように工夫しましょう。

たとえば、

  • メールやチャットに目を配る時間は最小限にとどめる
  • スペックの高いPCを使い作業時間のスピード上昇を図る
  • タスク管理ツールを導入し、タスク管理を漏れなく効率的に行う

などは、業務効率化にとって適正な手段といえます。

特に、ツールを導入するだけで時間短縮できる場合は積極的に導入していきましょう。簡単に業務改善につながる可能性が高いです。

優先順位をつける

社内のワークフローを見直し、優先順位をつけて業務を行うこともよい手段です。

より優先順位の高いタスクに多くのリソースを割くようにすることで、リソースの最適化をはかることができます。

マニュアルを作成する

業務の進め方やルールなどをマニュアルとしてまとめることも、「業務効率化」につながりやすいです。

マニュアルがあることで、ミスの防止につながり、担当者が変わっても業務のクオリティを担保しやすくなるというメリットがあります。

作成には時間も手間はかかるかもしれませんが、一度作っておけば、業務の引継ぎ時に活用できますし、変更点があっても随時更新していけばよいので後々の仕事がラクになります。

アウトソーシングする

外部に委託可能な業務は、アウトソーシングすることで、従業員を自社の中核となる業務に専念させることができます。

自社の従業員でなくてもできる業務や高い専門知識が必須の業務をアウトソーシングすることにより、その分野に長けた外部の有能な人材を活用できるというメリットもあります。

また、業務によってはアウトソーシングを活用する方がコスト削減に繋がる場合もあります。

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業務効率化するときの注意

業務効率化するときの注意点は4つあります。

4つの注意点

  • かえって手間がかかる
  • 速さを重視して質が落ちる
  • 手段が目的になってしまう
  • ツールを使いこなせない

注意点について、それぞれ詳しく解説します。

かえって手間がかかる

業務の工程を変えることより、かえって従業員の手間やコストが増えてしまうことがあります。

マニュアルや事前の研修等で従業員との認識をあわせ、よりスムーズに工程に慣れてもらうための事前の配慮をしておきましょう。

速さを重視して質が落ちる

業務効率化を早く進めようとするあまり、品質の低下を招いてしまうのも起こりえます。

従業員の負担が重くなっていないか、十分な作業時間が確保できているか気を配ることが必要です。また、ミスは必ず起こるものとして、同様のミスが起きないようフィードバックを欠かさないようにしましょう。

手段が目的になってしまう

手段が目的となってしまうこともよくあるケースの一つです。目的や目標を明確にしきちんと共有されていないと、提示された手段をなぞること自体が目的となってしまいます。

せっかく生産性を上げるための業務効率化も、それでは成果が出ない可能性があります。

その先にある生産性向上や従業員の負担軽減が目的のための手段であることをしっかり共有し、自社の従業員のスキルやリソースを考慮しながら無理のない範囲で進めることが大切です。

ツールを使いこなせない

業務効率化のために、ツールやシステムを導入しても、実際に使う従業員が使いにくければ浸透しません。

ツールやシステムは機能性も重要ですが、「画面の見やすさ」や「誰が行っても簡単に操作できるものか」など、使う側への配慮もしていきましょう。

まとめ:業務効率化はPDCAサイクルを回すことが重要

 今回は、業務効率化について、その重要性と具体的な手順・アイデアについて解説しました。

業務効率化は、現状把握から入り、効率化させ生産性を上げたい業務の決定をしたのちに、具体的な方法を検証・実践を繰り返すことが重要です。業務効率化のためのPDCAサイクルを回すことで生産性をより上げていくことに繋がります。

ご紹介した6つのアイデアを参考に自社の業務効率化にお役立てください。

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