【初心者向け】個人事業主の経理業務や税金のことを徹底解説!

 (更新日2021.12.28)
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  • 個人事業主の経理業務ってどんなことをやることになるの?
  • 確定申告は「青色申告」か「白色申告」のどちらがいいの?
  • 個人事業主になったばかりなので「お金の管理をどうするとよいか」を詳しく知りたい

個人事業主になると、納税手続きを全て自分で行う必要があります。サラリーマンの場合、所得税は給料やボーナスから天引きされますが、自分で確定申告をして所得税を納めなければなりません。

また、確定申告は「青色申告がいいか」「白色申告がいいか」も実際どちらがいいか気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主の経理業務について、基本から「確定申告は何色がおすすめか」や、利用できる控除まで徹底解説します。

特に個人事業主にこれからなる方や個人事業主になったばかり方にとっては分からない部分の多い、「経理業務」についてスッキリ解決できるような内容になっていますのでぜひご参考になさってください。

個人事業主の給与の扱い

個人事業主は、法人と違い利益を報酬として費用計上をすることができません。そのため、個人事業主には「給与」という概念がないのです。

個人事業主は事業と生活が直結するため、利益を全て生活費として使うことができますが、経費支払いのために運転資金の確保も必要です。

たとえば、

  • 運転資金に余裕があるとき→生活費を多めに充てる
  • 資金繰りが難しいとき→生活費を少なめにする


など、状況に合わせて管理をしましょう。

個人事業主は、利益に比例して自由に使えるお金に変動がありますが、状況に応じた適切な資金管理が重要です。

個人事業主の日常的な経理業務

個人事業主の日常的な経理業務としては、毎日の現金管理や記帳などがあります。

主な業務は以下の3つです。

日常的に行う業務

  • 経費支払い
  • 領収証整理
  • 売上金入金・記帳

これらの日常的な現金の入出金を会計ソフトへ入力していくと、管理がしやすくなります。

個人事業主が納めるべき税金

 個人事業主が納めるべき税金は、主に以下の4つです。

個人事業主が納めるべき税金4つ

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

それぞれ詳しく下記で解説していきます。

所得税

所得税とは、1年間に得た個人の所得に対してかかる税金のことです。

個人事業主として開業すると、自分で確定申告をして所得税を納めなければなりません。

確定申告とは

1月1日から12月31日までの期間内の収入を計算し、かかった経費、医療費、扶養家族の状況などから所得税を計算して申告書を税務署に提出し、所得税額を確定する手続き 

住民税

住民税とは、所得に課せられる「市町村民税」と「都道府県民税」のことです。

自分が住んでいる自治体が確定申告の情報を元に計算し、毎年6月頃に納付書が送付します。自分で計算を行う必要はなく、届いた納付書を使って手続きを行います。

個人事業税

個人事業税とは、個人事業主が事業を営む際に受ける公共サービスに対して納める税金のことです。法律で定められた事業に対して課税され、税率は業種によって異なります。

個人事業税についても、自治体側で確定申告の情報を元に、納税額を計算します。毎年8月頃に都道府県税事務所から納税通知書を送付されますので、届いたら手続きを行います。

消費税

消費税とは、原則として前々年の売上が1,000万円を超えた個人事業主が支払う税金のことです。

消費税の課税対象者になると、消費税課税事業者届出手続を行う必要があります。

確定申告は青色申告がおすすめ

 確定申告には、「青色申告」と「白色申告」の2種類がありますが、「青色申告」で行うことをおすすめします。

なぜなら、青色申告が承認されると、有利な取り扱いを受けることができて税負担を軽くすることができるからです。

確定申告を行なうためには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要がありますが、以下でご紹介するようなさまざまなメリットがあります。

青色申告のメリット

 青色申告のメリットは以下の4つです。

青色申告のメリット

  • 最高65万円の控除を受けられる
  • 家族従業員(専従者)の給与を経費にできる
  • 30万円未満の固定資産を減価償却せず全額経費にできる
  • 赤字を繰り越しすることができる

最高65万円の控除を受けられる

青色申告するだけで「青色申告特別控除」を受けることができます。

最高65万円の控除ができるので、その分税負担を軽くすることが可能です。

家族従業員(専従者)の給与を経費にできる

青色申告の場合、家族従業員(専従者)への給与が必要経費として認められます。

30万円未満の固定資産を減価償却せず全額経費にできる

青色申告の場合、取得価額が30万未満であれば、全額を購入した年の経費とすることが可能です。

通常は、パソコンなどの固定資産は、購入したすべての額を経費とすることはできません。減価償却といって、数年にわたって経費とすることになります。

赤字を繰り越しすることができる

青色申告であれば、事業が赤字となってしまっても、その赤字分を翌期以降に繰り越すことが可能です。

翌期が黒字でも前年の赤字と相殺することができるので、所得税をその分節税することができるメリットがあります。

青色申告の事前に行う手続きに必要な書類

 青色申告を行なうための次の書類の提出が必要です。

所得税の青色申告承認申請書

所得税の青色申告承認申請書を提出する必要があります。

必要事項を記入した後、納税地を管轄している税務署(確定申告の書類を提出する税務署)に提出しましょう。

青色事業専従者給与に関する届出書

基本的に家族従業員(専従者)への給与が必要経費として認められますが、家族に給料を支払う場合には「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出する必要があります。

また、従業員を雇う場合は「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。

青色申告に必要な帳簿

青色申告に必要な帳簿についてご紹介します。

青色申告に必要な帳簿

  • 現金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 固定資産台帳
  • 経費帳

帳簿の種類は、控除を受けたい金額で変わります。10万円の控除のみでよい場合は上記の5つの帳簿で申告可能です。しかし、節税効果の高い65万円/55万円の控除を受ける場合は、上記の5つの帳簿以外に、主要簿として「仕訳帳」と「総勘定元帳」を作成することが必須です。

青色申告に不可欠な会計ソフト

青色申告には会計ソフトの活用は不可欠です。

青色申告を行なうためには、簿記で帳簿づけを行う必要があります。会計ソフトを使うことで業務効率が格段にあがるため、本業の実務に注力することができます。

会計ソフトを活用するメリットは、日々の取引をきちんと仕訳しておけば、確定申告に必要な書類はすべて自動で作成できるという点です。

例えば、「freee会計」は簿記の知識がなくても仕訳作業ができる仕様なので、ネットバンキングやクレジットカードと連携させることで仕訳作業をほとんど自動でできます。

個人事業主向けの節税方法

 個人事業主の節税について、一般的な節税方法をいくつかご紹介します。

一般的な節税方法4つ

  • 生命保険料控除
  • 小規模企業共済への加入
  • 医療費が10万円を超える場合
  • 寄付金控除

生命保険料控除

生命保険は節税方法としてよく知られている方法です。「生命保険料控除証明書」を確定申告の際に一緒に提出すると、控除を受けることができます。

対象は、申告者本人やその配偶者、扶養家族です。

小規模企業共済への加入

小規模企業共済とは、個人事業主などを対象とした共済制度のことです。

商簿企業共済に対して1年に支払った掛金はその全額を控除することができるので、控除額にかかる税額分、税負担を軽くすることが可能です。

一ヶ月の最高掛金は7万円のため、7×12カ月で最高84万円の控除を受けることができます。

医療費が10万円を超える場合

1年間の医療費が10万円を超えた人は、医療費控除を受けられる可能性があります。対象は、家族の医療費や処方された薬代も含まれます。

通院の際には、領収書を保管しておくとよいでしょう。

医療費控除の対象となる支出には、家族の医療費や風邪薬代も含まれます。

寄付金控除

国から認定された団体へ寄付した場合には、「寄付金控除」を受けることが可能です。

例えば、ふるさと納税もこの寄付金控除のひとつになります。

まとめ:個人事業主は青色申告で!会計ソフトを使って賢く経理管理しよう

今回は、個人事業主の経理業務について基本を網羅的に解説していきました。個人事業主になると、まず「確定申告は何色にすべきか」から始まり、これは経費として計上できるのか、控除は利用できるのかなど、全て自分に選択権があります。

本業に打ち込みたいのに細かいお金の計算までしないといけないのが個人事業主のジレンマといえるでしょう。最近は会計ソフトも使いやすいものがたくさん出ています。ぜひご自分が使いやすいものをみつけて賢く経理管理していきましょう。

 

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