個人事業主が車を経費計上するには?減価償却のポイントも解説!

 (更新日2022.02.23)
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  • 車を購入する予定だけど個人事業主の場合、経費計上はどうなるの?
  • 車の購入する際の減価償却について知りたい

個人事業主は車を仕事で使うことも多いかと思います。だからこそ、車に関する出費が経費として計上ができるのか気になるところでしょう。

また、車は高額な資産となるため、減価償却する必要がありますが、新車と中古車では算出方法が異なります。

そこで本記事では、以下の点について詳しく解説していきます。

  • 個人事業主が経費にできる車についてパターン別に解説
  • 経費計上の際の家事按分の算出方法
  • 車購入時の減価償却や新車と中古車で耐用年数が違う理由
  • カーリースという選択肢について

この記事を読むことで、個人事業主が車を経費に計上する際のポイントや、減価償却で気をつけるポイントが明確になります。ぜひ参考になさってください。

経費にできる車とは?パターン別に解説

 個人事業主が車を所有する際、以下の3つのパターンに分けられるでしょう。

個人事業主が車を所有する際の使用パターン3つ

  • 仕事でのみ使用している車
  • 仕事とプライベートで使用している車
  • プライベートでのみ使用している車

これらがどのように経費として計上できるのかパターン別に以下で解説していきます。

仕事でのみ使用している車

仕事でのみ使用している車は、原則として経費計上することができます。

仕事とプライベートで使用している車

仕事とプライベート使用している車の場合の経費計上は、どの程度の割合で車を仕事で使用しているかによって変わります。これを「家事按分」といいます。

家事按分の算出は、基本的に個人事業主自身で申告するもので、割合についての根拠を数字で示せると税務署からの理解が得られやすいです。

家事按分の算出方法の参考例(1)仕事で走行した距離から算出する方法

たとえば、

1ヶ月の平均走行距離:100km

業務で車を使用した走行距離:約40km の場合

40km÷100km=0.4

となるため、走行距離の40%を経費として計上できます。

家事按分の算出方法の参考例(2)仕事で使用した日数から算出する方法

1週間に事業で車を使用した日数を7で割れば、按分比率が算出できます。

その按分比率に1ヶ月のガソリン代をかければ、計上できる金額になります。

上記の例のような家事按分の根拠を明確にするためにも日頃から車を利用した際に、業務上必要と明らかに区分できるように、運転記録など付けておくことをおすすめします。

プライベートでのみ使用している車

仕事上は使用せず、プライベートでのみ車を使用している場合は、経費として計上することはできません。

国税庁は、事業所得に対する必要経費に算入できるのは、売上原価(売上に対する仕入分)など収入を得るために直接要した費用、その年の販売費や一般管理費と定めています。

実際に業務上で使用している実態がない場合は経費計上を控えましょう。

個人事業主が車に関する費用で経費にできるもの

車の購入・維持にかかる出費のほとんどは経費計上することができます。

個人事業主が車に関する費用で経費にできるものは、以下の6つです。

経費にできるもの6つ

  • 車両購入費
  • 各種税金(自動車税・自動車重量税、消費税など)
  • 自賠責保険料
  • 車検代
  • ガソリン代
  • 駐車場代

仕事用の車両の運用や維持に必要な多くの出費を経費にすることができます。

しかし、勘定科目については、自動車税なら租税公課、駐車場代なら地代家賃、というように、それぞれ適した項目に分配しましょう。

自動車保険は保険料控除の対象にならない

一部の保険に対して支払った保険料は、確定申告時に保険料控除の対象となりますが、自動車保険は保険料控除の対象には含まれていないため、所得控除に計上はできません。

ただし、事業用の自動車にかけられた保険であるなら、家事按分比率に応じて保険料を経費として計上が可能です。

自動車購入費用の確定申告は青色申告がおすすめ

自動車購入費用の確定申告は白色申告よりも、節税項効果のある青色申告がおすすめです。

確定申告を白色申告で提出している場合は1件につき10万円以上、青色申告で提出している場合は1件につき30万円以上が減価償却の対象になります。

車の購入減費用は減価償却する

車の購入費用のような高額な資産については、減価償却の対象となります。

減価償却とは、取得価額(車や応接室設備など)が高額な資産については、その耐用年数に合わせて分割して経費を計上しなければならないという規則のことです。

減価償却には、以下の二つの方法があります。

  • 定額法・・・耐用年数で均等に経費を割る方法
  • 定率法・・・初年度に経費を高額計上し、それ以降の年度で経費を減らしていく方法

個人事業主の場合は基本的に定額法を使いますが、税務署に届け出をすれば定率法の適用が認められるケースもあります。

以下で、新車の場合と中古車の場合の減価償却について解説していきます。

新車の場合の減価償却

新車の場合の減価償却の耐用年数は普通車で6年間、軽自動車で4年間です。

また、新車を購入する際に、ローンで支払うことを検討される方も多いと思いますが、ローン支払いの際には、毎月の支払利息が経費として計上が可能になります。

ただし、ローンの返済費用は確定申告において、借入金や未払い金として計上されます。

利息分以外の支払いは経費になりませんので注意しましょう。

中古車の場合の減価償却

中古車の場合の耐用年数は、以下の計算式で算出されます。

(新車購入時の耐用年数−経過年数)+経過年数×20%(端数切り捨て、2年未満の場合は一律で2年計上)

中古車は耐用年数の一部がすでに経過しているという扱いになるので、減価償却期間が新車に比べて短くなりますので、減価償却期間を短くしたい場合には中古車の方がおすすめです。

カーリースという選択肢もある

個人事業主が業務で車を使用する場合、カーリースという選択もおすすめです。

なぜならカーリースの利用料を全額経費として計上できるからです。

ローンで車を購入した場合、経費として計上できるのは利息分のみです。

また、新車の場合は減価償却によって、購入年度に一括で経費計上はできないため、耐用年数に応じて経費計上を分けて行わなければなりません。

その点、カーリースであれば、カーリースの所有者はあくまでもリース会社になるため、固定資産税の計上も必要ありませんし、減価償却の計算などの経理処理にかかる手間も省くことができます。

プライベートでも使用する場合はまた家事按分をする必要がありますが、仕事用として車を使用する方にとって、カーリースの利用はメリットが多いです。

なお、契約内容や会社の規模により資産計上が必要になるケースもありますので、契約の際には、契約している税理士などへ一度相談されるとよいでしょう。

まとめ

個人事業主は、仕事で使うだけの車はもちろん、プライベートでも使う車も家事按分によって経費として計上することが可能です。

また、車の購入・維持にかかる出費のほとんども経費計上することができます。

ただし、購入する際のポイントとして「減価償却」をする必要があるということを押えておく必要があります。減価償却では、新車の場合と中古車の場合の耐用年数が違うため、中古車の方が減価償却の期間を短くすることが可能です。

その他、カーリースにもメリットがあり、リースの場合は利用料の全額を経費にできますので、車の購入を検討する際には、カーリースを選択肢の一つとして考えるのもよいでしょう。

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