- 普段している仕事の効率をもっと上げたい!
- この業務は本当に必要?
- 社内やチームの業務全体を可視化したい!
業務改善や作業効率を上げたい場合に「どこに問題があるのか明確になっていない」といったことがよくあります。
業務改善は、特定の業務について「どこが問題なのか」をうまく見つけることができないと、どんな対策しても改善の効果はほとんど期待できません。
そのために有効な方法が、「業務の棚卸し(たなおろし)」です。
本記事では「業務の棚卸し」の具体的な手順やポイント、「上手くいかない時の対処」について分かりやすく解説していきます。
業務の棚卸しと聞くと、「その時間がもったいない」「実際どうするのか分からない」と感じるかもしれませんが、この記事を読めば「業務の棚卸し」をスムーズに行うことができます。ぜひ最後までお読みください。
業務の棚卸しとは?目的は?
業務棚卸とは、業務を可視化するための手段の一つです。
業務の仕分けや工数、作業時間の洗い出しを行い、仕事全体の見える化をする事で作業効率を上げることや、業務改善などに役立ちます。
業務の棚卸しをする上でポイントは、「業務の棚卸しを行う目的を明確してから臨むこと」。ゴールを決めてから棚卸しを行うと、対象を絞り込むことができ、どの部分に比重をおくべきかがはっきりするのです。
業務棚卸しの主な目的としては、以下の3点です。
目的
- チーム内で業務内容を共有する
- コストを減らす
- 作業工数を見直す
業務棚卸しを行うこと自体が目的にならないように注意しましょう。業務の棚卸しを適切に行うと、普段は複雑化されている業務の実態を把握できます。
業務を誰がどの範囲まで受け持っているのかを明確にでき、会社としての共通認識ができるため、特定の業務の担当者が休暇中や業務量の平準化を行う際にも重要です。
業務の棚卸しの留意点
業務の棚卸を行う際に気を付けるポイントは以下の2点です。
ポイント
- 繁忙期や閑散期の把握
- 業務ごとにかかる時間と工数の把握
繁忙期・閑散期の把握
業務の棚卸しをすることにより、業務がどの時期にどのくらい行われているのかを把握できます。繁忙期と閑散期を把握しておけば、繁忙期の前に、業務が多くなることを見越して事前に準備しておくことができます。
逆に新規開拓に関する調査や開発、緊急性はないもののやっておかなければならない作業などを閑散期のタイミングに行う計画を立てられるため、業務のスムーズな移行ができるようになります。
業務ごとにかかる時間と工数の把握
業務の棚卸しをする際に、「どの業務にどれくらいの時間がかかるか」「一つの業務を完了するのにいくつの工数が必要か」を洗い出します。
各業務に必要なコストを様々な面から算出することで、機械化やアウトソーシングを取り入れた方が良いものを明確にすることができます。これは更なるコスト削減と効率化に直結するため重要なポイントです。
業務の棚卸しの具体的なやり方・手順
では、実際にどうやって業務の棚卸しをしていくか、具体的なやり方について手順を解説していきます。
ステップ①:業務の洗い出し
まず業務をすべて書き出していきます。実施する範囲を決めておくと取り組みやすいです。
実施する範囲としては以下の2点のようにすると洗い出ししやすくなります。
- 日次・週次・月次の期間ごと
- 組織・業務ごと
洗い出す業務は工数や処理時間と合わせて書き出すことで次の工程がラクになります。
ステップ②:フォーマットの作成
業務の洗い出しができたら、フォーマットを作成します。フォーマット作成はExcelで行うのが分かりやすく、チームで共有する際にも最良でしょう。
フォーマットの項目は、「大項目」「中項目」「小項目」「発生頻度」「業務工数」「処理時間」を設けると漏れなく分かりやすい表になります。
右の列に進むにつれて詳細な内容を記入できるように並べることが見やすい棚卸し表を作成するポイントです。
ステップ③:フォーマットへ落とし込む
業務をそれぞれフォーマットに記入していきます。
発生時期や工数についてはイメージしやすいと思いますので説明は割愛しますが、「大項目」「中項目」「小項目」について、どういった内容を記入するかは以下を参考にしてください。
各項目の内容について
- 大項目:業務分類(ex.経理業務)
- 中分類:業務名(ex.月次集計)
- 小分類:業務内容(ex.○○請求書作成)
社内やチームで共有する場合は、どの人が見ても分かるように、フォーマットとルールを社内に共有しておくとよいでしょう。
ルールとしては、「各項目に記載する分類について」「担当している業務をすべて記入してもらう」といったものが挙げられます。
ステップ④:業務の見直し
フォーマットへの落とし込みができたら、業務の見直しを行います。「不要な作業はないか」、「時間が掛かりすぎている作業がないか」を見極めていきます。
一覧にして可視化できることで、省けるものや工夫次第で時間短縮できるものが明確になり、それを精査した上で業務の棚卸しが完了します。
業務の棚卸しがうまく行かない場合
実際にやってみた結果、思うようにならなかった場合は以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。
ポイント
- その業務は本当に必要か
- 自分がするべき業務か
- 作業工数は適正か
その業務は本当に必要か
洗い出した中から不要な業務がないかチェックします。
作業時間の割には活用されていない資料作成業務や、慣習で残っているだけの仕事などがないかを確認します。削れる可能性のある業務は、上司や関係部署と必要性について協議し調整していきましょう。
自分がするべき業務か
洗い出した仕事はすべて本当に自分がやるべき業務かと見直すことも重要です。
他に関連する業務の担当者の方が適任かもしれませんし、アシスタントや部下に任せられる仕事や社内の複数人で共有できる仕事があるかもしれません。
中には外部にアウトソーシングできそうな業務もあるかもしれませんので、「自分がすべきか」「人に任せてもいいか」という観点からも確認していきましょう。
作業工数は適正か
各業務の作業工数が適正かどうかも大事なポイントです。
成果に対して必要以上に時間がかかっている業務や省いてもよい作業は、できるだけ削減していきましょう。
時間がかかっている業務の見直しとしては、ツールを使って自動化できないかなど検討するとよいでしょう。また、業務の中でこの作業は省いたとしても成果に問題ないものは省けるように工夫しましょう。
まとめ:作業効率アップには業務の棚卸しで可視化することがカギ!
今回は、業務の棚卸しについて具体的な方法や気をつけるポイントとあわせて解説しました。
棚卸しを行うことで業務全体を明確にでき、必要なものと不要なものを仕分けが取り組みやすくなります。適切な仕分けができることで、無駄を省き、業務改善につながったり、作業効率をアップすることもできます。
棚卸ししようと思うと「面倒だ」という気持ちが先行するかもしれませんが、一日に「この時間だけしよう」と決めて行うと意外とスムーズに進むものです。まずは、日頃ご自身が「どんな業務をどれくらいの時間取り組んでいるか」書き出してみるところからはじめてみてください。
結果的に作業効率を上げるために、棚卸しで可視化することは重要なポイントですので、この機会にぜひ活用してみてください。