- 業務改善したいけど、考えがまとまらない
- 効率よくできる論理的な思考法について知りたい
業務改善する際に突き当たる壁を突破する方法があります。それは「フレームワーク」を活用することです。
そこで本記事では、業務改善フレームワークの概要と活用するメリット、厳選したおすすめフレームワークについて詳しく解説していきます。
フレームワークを活用することで論理的に考えを整理できるので、客観的に改善点を知ることができ、業務改善のために最適なアイデアが出てきやすいです。ぜひ本記事を参考にしてみてください。
業務改善フレームワークとは?
フレームワークとは、直訳すると「枠組み」「骨組み」「構造」という意味です。
業務改善を行う上で考えるべき点をフレーム(枠組み)に落とし込み、誰もが共通して用いることができるようにしたものが、業務改善フレームワークです。
業務改善する上でフレームワークを活用することで分析・問題解決をスムーズに行うことができます。
業務改善でフレームワークを活用する3つのメリット
はじめに、業務改善をしたいときにフレームワークを活用することで得られる3つのメリットについて解説します。
フレームワーク3つのメリット
- 問題が可視化され、メンバー間の認識を揃えることができる
- 問題解決の糸口が明確になる
- 思考時間を短縮できる
メリット1:問題が可視化され、メンバー間の認識を揃えることができる
フレームワークを活用することで、明確に課題の全体像や改善点が把握できるため、チーム内で認識を合わせやすくなるというメリットがあります。
同じフレームワークで業務を整理して可視化するため、課題に関する改善点について、現在どんな問題があり、業務改善までのゴールを「いつ・誰が」するかなどの議題を共通認識のもとで進めることができるからです。
メリット2:問題解決の糸口が明確になる
業務改善を進める際に問題の原因を特定することもフレームワークは適しています。原因を特定することで問題解決のための糸口がはっきりと分かるようになります。
フレームワークで可視化することで問題の原因がより明確になることにつながります。
原因が特定できたら、改善のための対策をしやすくするために、問題をいくつかに分類していくとよいでしょう。
メリット3:思考時間を短縮できる
フレームワークを使うことで、思考時間の短縮もできます。
今回でいえば「業務改善」というテーマに合わせた項目や内容を「枠組み」に当てはめていくため、初めから頭の中で考えるよりもはるかに短時間でできます。
フレームワークが思考の手伝いをしてくれるようなものなので、枠にはめていくだけで考えがスッキリとするでしょう。
業務改善に役立つフレームワーク9選
業務改善する上で役立つフレームワークのおすすめを9つ紹介します。
業務改善に役立つフレームワーク9選
- BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)
- ECRS(イクルス)
- バリューチェーン分析
- KPT
- ロジックツリー(決定木分析)
- PDCAサイクル
- MECE
- 5W2H
- 4象限マトリクス
BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)
BPMNはこんな人におすすめ!
- 業務プロセスを改善をしたいけど、効率よくフローを作成する方法が知りたい
- 部署ごとでバラバラになっている業務フローの表記を統一したい
BPMN(Business Process Modeling and Notation)は、国際標準(ISO19510)で定められたビジネスプロセスモデリング表記法のことです。
国際標準規格に則った文法を使い、業務プロセスを可視化するために適したフレームワークになります。
基本的にはフローチャートと同じ形式で図形・矢印などを使用して、業務フローや関連性、担当部署・担当者などを図で分かりやすく表していきます。
BPMNについては、「BPMNとは?業務プロセスを標準化するのに最適なフレームワークを深掘り解説!」で詳しく解説しています。
ECRS(イクルス)
ECRSはこんな人におすすめ!
- 既存の業務フローを見直したい
- 業務改善を進めるのに、効果の高い順番を論理的に導きたい
ECRSとは、「Eliminate(排除)」「Combine(統合)」「Rearrange(順序変更)」「Simplify(簡素化)」から頭文字をとった業務改善フレームワークです。
別の手法で可視化した業務フローに対して用いられ、業務改善を進めるために、効果の高い順番と業務改善の手法を示す目的で使われます。
例えば、 BPMN を使って業務フローを作成して洗い出した後に、業務フローの中で「無駄な業務はないか( Eliminate)」 「まとめられる業務はないか( Combine )」「工程の順序はこれでよいか( Rearrange )」「簡素化できる業務はないか( Simplify )」などを探していくことに適しています。
ECRSについては、「ECRSの原則とは?業務効率化に役立つフレームワークを深掘りして解説!」で詳しく解説しています。
バリューチェーン分析
バリューチェーン分析はこんな人におすすめ!
- 商品やサービスが顧客に届くまでのプロセスの中でどこに付加価値があるかを分析したい
- 事業に関する強みや弱みを把握したい
バリューチェーン分析とは、事業を主活動と支援活動に分けて、顧客に商品やサービスの価値が届くまでのプロセスを鎖状につなげて整理するフレームワークです。
プロセスの中でどの工程で価値が発生しているかを分析できるため、事業に関する強みや弱みを把握し業務改善につなげることが可能です。
バリューチェーン分析については、「バリューチェーン分析とは?自社の強みを最大化するフレームワークを深掘り解説!」で詳しく解説しています。
KPT
KPTはこんな人におすすめ!
- プロジェクトをチームで振り返るために客観的な視点に整理したい
- 業務の生産性を向上させたい
KPTは、「Keep」「Problem」「Try」の頭文字をとったもので、業務やプロジェクトを振り返り、生産性を向上させることを目的にした業務改善フレームワークです。
KPTを行う一般的な方法は、メンバー各々が「Keep(維持)」「Problem(問題)」を付箋に書き出し、ホワイトボード上に貼り出します。
「Keep」「Problem」を書き出す時のポイントは以下の2点です。
ポイント
- K(keep) :今後も続けていくと良いこと
- P(Prpblem):改善すべき問題点
ホワイトボードに各々の考えを貼り出すことでチーム内で振り返りを客観的に整理しできるため、次にどんな「Try(挑戦)」をすべきかを確認し合えます。
KPTについては、「KPTとは?振り返りのフレームワークの進め方を深掘り解説!」で詳しく解説しています。
ロジックツリー(決定木分析)
ロジックツリーはこんな人におすすめ!
- 頭の中でごちゃごちゃしがちな考えを分解して分かりやすくしたい
- 問題や課題について論理的に分析したい
ロジックツリーとは、問題や課題をツリー状(樹形図)に書き出して、論理的に分解していくフレームワークです。
一つのキーワードから派生する物事を挙げていき、問題の原因を掘り下げていきます。
ロジックツリーの種類は以下の4つです。
ロジックツリーの種類
- WHATツリー:要素を分解して網羅的に把握する
- WHYツリー:課題の原因を特定する
- HOWツリー:問題解決の手段を分解する
- KPIツリー:達成のための中間目標として使われる
PDCAサイクル
PDCAサイクルはこんな人におすすめ!
- 業務改善のためのサイクルを習慣化したい
- 業務改善のスピードをアップさせたい
PDCAサイクルとは、「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」を繰り返すことで業務改善し続けるフレームワークです。
サイクルの順番
- 改善のための目標を決めて計画を立てる(Plan)
- Planに沿ってテストしながら記録していく(Do)
- Doした結果を評価する(Check)
- 効果が出たら継続もしくは改善する(Action)
「PDCAを回す」とよく聞ききますが、このサイクルをイメージして言われます。PDCAサイクルを繰り返すことで更なる改善を続けるためのルーティンを作ることができます。
MECE
MECEはこんな人におすすめ!
- 問題を「モレなく、ダブりなく」分類する方法を知りたい
- 想定される課題を導き出して業務改善に活用したい
MECE(ミーシー)は「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略称で、「モレなく、ダブりなく」分類・場合分けしていくフレームワークです。ロジカルシンキングの基礎といわれる考え方になります。
問題を客観的に「モレなく、ダブリなく」分類・場合分けするMECEの手法は、総合的な観点から改善点を洗い出すことができます。
5W2H
5W2Hはこんな人におすすめ!
- コスト面を意識した業務改善をしたい
5W2Hは「5W1H」に「How much(いくらで)」を加えた、業務改善を行う際の基本的なフレームワークです。
5W1Hとは
「Who(誰が)」、「What(何を)」、「When(いつ)」、「Where(どこで)」、「Why(なぜ)」、「How(どのように)」という6つの観点をもとにしたフレームワークのこと
「5W1H」 の6つの観点に「How much」を加えて、コスト面を意識した業務改善を行う際に活用できます。
4象限マトリクス
4象限マトリクスはこんな人におすすめ!
- 市場における自社の商品・サービスの立ち位置(ポジショニング)を把握したい
- 知りたい事象について判断材料を分類して可視化したい
4象限マトリクスは、物事の立ち位置を把握するのに最適なフレームワークです。
2つの軸を元に、縦軸と横軸を設定して4つのエリアを作り事象を複数のマスに分類して整理することができます。
4象限マトリクスを活用した有名な手法としては「ポジショニングマッピング」というものがあります。
ポジショニングマッピングは、市場における自社の商品・サービスの立ち位置(ポジショニング)がどうなっているかを視覚化した図表のことです。
4象限マトリクスを活用するメリットは、軸設定により事象をマッピングするため、知りたいことを判断しやすくなる点です。判断しやすくなることで業務改善に関する対策も立てやすくなります。
まとめ
今回は、業務改善に役立つフレームワークについて、おすすめの9選とともにご紹介しました。フレームワークを活用することで問題や課題がスッキリと整理されます。
ご紹介したフレームワークの特徴はそれぞれ異なります。ぜひ業務改善の目的に適したフレームワークを活用してみてください。